あんまりフライト・ログばかり書いていると旅人になってしまうので、本来の趣旨に戻る(くらいジャーナルに出ればいいですが...)。
が受理されました。タイトルがやたらデカい気がしますが、先方のリクエストなので。まあ、SEOとしては役に立つか?
さて、何をやったかというと、
リーマンショック後に見られるような日本から中国へのFDIの急速な減少(ただし、部門ごとに少しずつ違う)が起きたら、日本と中国経済にどういうマクロ的な影響があるかをシミュレーション分析。
対中FDIの変化(部門ごとに減少もあれば増加もあるが、総額としては減少)によって、
「日本企業の対中進出が減速すれば、中国の勝利!」みたいに見えるけれども、そうか?
もう一方のやつは轟沈。まあ、そう全部はうまくいかないよね。
- Latorre, M. C., Hosoe, N. (forthcoming) "The Role of Japanese FDI in China," Journal of Policy Modeling.
が受理されました。タイトルがやたらデカい気がしますが、先方のリクエストなので。まあ、SEOとしては役に立つか?
さて、何をやったかというと、
時点内構造(Hosoe (2014)より転載・改変) |
目的
リーマンショック後に見られるような日本から中国へのFDIの急速な減少(ただし、部門ごとに少しずつ違う)が起きたら、日本と中国経済にどういうマクロ的な影響があるかをシミュレーション分析。
モデル
- 日本・中国(本土のみ)・ROWの3地域世界貿易逐次動学CGEモデル
- Hosoe (2014, Applied Economics)のFDI-CGEモデルをもとに、(1)FDIを内生から外生に変更(ここにショックを与える),(2)エネルギー合成財を省略
- 20部門、うち12製造業部門については、中国には中国国内企業と、日系現地法人が競合
- 日本から中国へのFDI(資本移動)で現地法人設立
- 中国から日本へ、あるいは、ROWとはFDIなし
- 労働は部門間を移動可能、ただし国境を越えない
動学構造(Hosoe (2014)より転載・改変) |
データ
- GTAP8.1
- 海外事業活動基本調査で製造業の対中FDIを調べて、中国の現地法人の投入産出構造を推定
シナリオ
- 製造業の対中FDIが-85%-+57%変化(総額は-34%)
- 5年間継続
結果
対中FDIの変化(部門ごとに減少もあれば増加もあるが、総額としては減少)によって、
- 日系現地法人の製造業生産がFDIの増減に対応して増減(アタリマエ)
- (日系現地法人と競合する)中国国内企業の製造業生産はあまり影響を受けない(日系企業のシェアがあまり大きくないため)
- 日系現地法人の対日製造業輸出が大きく影響を受ける
- 中国国内企業の対日製造業輸出が拡大
- 結構、為替レートに/を通じて影響してくる
「日本企業の対中進出が減速すれば、中国の勝利!」みたいに見えるけれども、そうか?
- 中国国内のサービス産業が(変化率で見ると目立たないが、量では)大きく縮小(製造業に資源を取られる)
- マクロ(GDP,GNP,EV)で見ると、日本が利益を受けて、中国が利益を失う
- GNPよりGDPに対して大きく影響する(定義によりほぼ自明)
もう一方のやつは轟沈。まあ、そう全部はうまくいかないよね。
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