Kehoe(2005)が以前から指摘していた話。CGEでNAFTAの効果予測がよくないという話。彼の一連の研究にはいろいろなバージョンがあるが、ここでは、NAFTA以外の8つのFTAについての対GTAPモデル比較。
Extensive marginの変化を考慮したLeast-traded products (LTP)モデルによる貿易量の予測は現実の値とまずまず合っているのに、GTAPではほとんどゼロということ。
(1)既に大きな貿易量を持っている財と、(2)これまでほとんど貿易されてこなかった財との間で、貿易自由化をして、どちらがより大きな増加量を見せるようになるかというと、後者でしょう。しかし、通常のArmingtonでは、後者は、CESのシェアが一定なのでこれを表現できない、ということ。
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Source: Kehoe et al. (2018)
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(なお、PDF版は、最後のところが切れている)
(FRB Minneapolis Staff Report ver.)
Extensive marginの変化を考慮したLeast-traded products (LTP)モデルによる貿易量の予測は現実の値とまずまず合っているのに、GTAPではほとんどゼロということ。
(1)既に大きな貿易量を持っている財と、(2)これまでほとんど貿易されてこなかった財との間で、貿易自由化をして、どちらがより大きな増加量を見せるようになるかというと、後者でしょう。しかし、通常のArmingtonでは、後者は、CESのシェアが一定なのでこれを表現できない、ということ。
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Exporter | Importer | (3) Standard GTAP-AGE | (4) LTP-AGE |
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Australia | United States | –0.14 | 0.53 |
United States | Australia | 0.27 | 0.55 |
Chile | China | 0.04 | 0.07 |
China | Chile | 0.14 | 0.61 |
Chile | United States | 0.03 | 0.48 |
United States | Chile | 0.08 | 0.55 |
China | New Zealand | –0.36 | 0.61 |
New Zealand | China | –0.09 | 0.48 |
Average | –0.00 | 0.49 |
Source: Kehoe et al. (2018)
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参考
- KEHOE, T. J., PUJOLÀS, P., S, ROSSBACH, J. (2018) "Improving the Analysis of Trade Policy: Accounting for product-level response to reduced trade barriers better predicts reform impact and forecasts larger gains from liberalization," Economic Policy Paper 18-01, FRB Minneapolis.
(なお、PDF版は、最後のところが切れている)
- Kehoe, Timothy J. 2005. An Evaluation of the Performance of Applied General Equilibrium Models of the Impact of NAFTA. In Timothy J. Kehoe, T. N. Srinivasan and J. Whalley, eds. Frontiers in Applied General Equilibrium Modeling: Essays in Honor of Herbert Scarf. Cambridge University Press, 341−77.
(FRB Minneapolis Staff Report ver.)
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